polovtsian dances
ロシア五人組の一人、アレキサンダー・ボロディンの代表的オペラ「イーゴリ公」の中に「だったん人の踊り」という有名な曲がある。原題から考えてポロヴェツ人のダンスなのだが何故か日本に輸入された時にだったん人の踊りになってしまった。日本初演は1965年だからさほど遠い昔ではない。そんな曲知らん、という方はピアノで
「レレラーーー ソラファーーミレ ミファソーー」(懐かしの色音符)
と弾いてみるとハハァと判る。それでも謎な方はようつべのこのファイルを00:44から聴いてみてほしい。
さてこの名曲、初めて聴いた時にはまだ polovtsian dance なる原題を知らなかったため邦題の「だったん人」とは一体何者なのか大変気になった。カタカナ表記でない以上、ダッタニアンとかダッタニーズとかそういう民族ではないのは確かだ。それからかなりの月日が経った後、忘れた頃に私はこの「だったん」に出会う事になる。1つは江戸時代に間宮林蔵が樺太探検で発見した間宮海峡の別名(だったん海峡)、それにここ数年人気のだったんソバである。余談だが間宮林蔵の直属上司が遠山景晋、遠山の金さんの父上だそうだ。更に調べてみるとこの「だったん」とはモンゴル高原から東ヨーロッパまで広域に分布していた遊牧民族タタール人のことで「韃靼」がその中国語表記ということが判った。タタール(tatar 又は tartar)とは「その他の人達」という意味でヨーロッパ人から見ればオリエントの方角からやって来る「その他の人達」はみなタタールだったに違いない。また日本でもモンゴル人とその他の遊牧民族を十把一絡げで適当に韃靼と呼んでいたようだ。
さてこの遊牧民で騎馬民族のタタール人は乗り物として多数の馬を引き連れていたが、同時に役に立たなくなった馬を食料として生で食べる習慣があった。今で言う馬肉のタルタルである。その後タタール人のヨーロッパ移動と共に生肉文化もヨーロッパ化され牛のタルタル、ツナのタルタルなどのバリエーションが登場した。またこれにはジンギスカン鍋や鴨南蛮のように食事のエスニック性、蛮性を強調するネーミングということでタタール風と名付けたという説もある。
そして生肉を食さないドイツ人の手によって遂に火を通された結果、ハンブルグ風牛のタルタルステーキとなった。今日のハンバーグである。その後ハンブルグ風牛のタルタルステーキはアメリカに伝わり1904年のセントルイス万博で初めてパンに挟んだハンバーガーが登場するに至る…
ということで私はこのハンバーガーが大好きである。(<<これが主題)
NYには幸運にも美味しいバーガー屋が以前から数多くあり仲間内で勝手にバーガークラブなる団体を名乗って食べ荒らしているので、追々その中でも選りすぐりのお店をこのブログでも紹介して行こうと思う。ただチェック済みのお店を紹介するだけで一年ぐらいかかるかもしれないが…
-over-
次回は(も?)食べ物ネタ

この曲、聞いたことありました。まさか韃靼人からハンバーガーにつながっていくとはブラボーなオチです。食専門だけではなかったんですね。選りすぐりのお店紹介も楽しみにしています。(ところで色音符って何ですか?)
dear pochi
コメントありがとうございます。ちょっと起承転結が無理矢理かなと思いつつ書いていました。色音符は日本でピアノを習いたての幼稚園児とかもっと小さい子が読む色付きの音符です。アメリカにあるかどうかはわかりません。ドが赤、レが黄、ミが緑、ファが橙、ソが青、ラが紫、シが白です。個人的な懐かしさも含めて採用してみました!
ひろ様
曲がわからなかったのでつい弾いてしまいましたよ。
「レレラーーー ソラファーーミレ ミファソーー」って。あの東海岸を行ったり来たりしてる電子ピアノです。
まさか韃靼人からハンバーガーとは、おみそれしました。
ちなみにだったんそばの故郷は、中国の雲南省、四川省の標高2,000~3,000m以上の山岳地帯です。その名前の由来は、1840年頃、ドイツの植物学者が学術名として「タータクリム」と命名したころに始まり、これは蒙古系の一部族「タタール」を意味する言葉で中国ではその部族を「だったん(韃靼)」と言っていたことから「だったんそば(韃靼蕎麦)」と呼ばれるようになったそうです。
このブログ、とても面白いので姉(さんさんさん)や妹(ファーファーファー)にも紹介したいのですがいいですか?
この曲聴いた事あります~。良いですね。
ダッタン人と聞いてパッと思い出したのが「ガラスの仮面」にて、
『ダッタン人の矢よりも速く!』という台詞がありました。
以前からダッタン人って何だろうと思っていましたが
この「ダッタン人」だったのですね。
スッキリしました。くだらなくてすみません…。
バーガーネタまた楽しみにしています。
大変遅ればせながら、ブログ開設おめでとうございます! オープン時から楽しく読ませていただいてます。コメントすることに不慣れで気後れしていたのですが、バーガーネタについ反応してしまいました。
以前、ヒロさんに連れて行っていただいたマジソンスクエアのバーガー、絶品でした。日本ではロッテリアが「絶品チーズバーガー」なるものをプッシュしていますが、まったく比べものになりません。今年もあの場所でもう始まっているのでしょうか? 絶対にもう一度食べたいと思ってます。次回、NYにいつ行けるのかはストーンズの動向次第だったりしますけど(笑)。
お忙しい日々とは思いますが、ブログの更新を毎回楽しみにしております!
dear のり3
だったんそば、美味しいですよね。そば湯がちょっと特殊な色合いと味で良い感じです。お姉様によろしく。
dear Carrie
あははは、それって北島マヤが井の頭公園の野外ステージで真夏の夜の夢のパック役を演じるときじゃないですか?
dearヨドヴァシカメヲ
コメントありがとうございます。あのバーガー今年もオープンしていますよ。また食べたいですね。でもあれ以上のバーガーを取り揃えておりますのでいつでもNYに遊びにいらっしゃってください。
懐かしの色音符!!!
「だったん人の踊り」のメロディーがすぐ出てこなかったんですが
色音符の記載ですぐ思い出しました。
ヒロさんのーーの表現がちゃんと音符の長さになっているところがさすがです。
素人の私にはとても分かりやすく感心しています。
いろいろ知らないことばかりで、ヒロさんのブログで一杯勉強出来ます。
楽しみにしていおりますので、よろしくお願い致します。
ここまで書かれると気になるのはタルタルソース。調べてみたらタルタルステーキの付け合わせにだされたソースだからタルタルソースというらしいです。またタルタルは「tartar」と表し、語源はフランス語で、意味は、「(料理が)生の」で、ソースには熱いものと冷たいものがあって、タルタルソースは生のタマネギなどを使った冷たいソースなので、その代表格として「タルタル」と呼んだとか。でも現在は、フランス語ではタルタル(tartare)、英語でターター(tartar)というのは、どちらも”異国風”といった意味あいで使われているそうなので、タルタルソースは”異国風のソース”という意味になるらしいです。 ちなみにタルタルソースと言えばマヨネーズを無視できません。マヨネーズ好きは是非ここを参考にどうぞ。(http://www.weblio.jp/content/マヨネーズ)マヨネーズベースのタルタルソース食べ過ぎ注意!ですね。
dear はらはら
色音符、懐かしいですよね。日本の偉大な発明品の1つですね。音価をどう表現しようか悩んでいたので伝わったようでうれしいです。
dear peach
タルタルソースのことは忘れてました。そうですね。それもタタールでした。やっぱり本文でも書いた異国風、蛮風という意味もあるんでしょうね。
マヨリンクありがとうございます。太りそう。
hiroismさん
ダッタン人の踊りの日本初演が1965年でしたか。当時は私は高校生の頃で、日本ビクターのHis master’s voice のマークがついた「最新式」ステレオで何度も聴いた記憶が蘇りました。「てふてふが一匹韃靼海峡を渡つて行つた」と誰かが詠んでいます。韃靼人、韃靼海峡・・エキゾチックで、シェヘラザードさえ想起する、神秘的な響きを残す言葉ですね。てふてふと一緒に私の空想も韃靼海峡を渡り、モンゴルの草原を過ぎタクラマカンを超えた当たりまで、一気に飛んで行けそうです。
hiroizmさんの真骨頂は単なる気分にとどまらず、タルタルソースからアメリカの食文化を代表するハンバーグまでひっぱて来て、これからうまい店百店まで著してNYガイドを作ってしまおう、という徹底ぶりですね。Bleacher Creatures Section 39に入れ込む熱さに共通してます。続編を楽しみしています。
北信濃の一茶の生家近くで「韃靼蕎麦粉」が缶詰で売っていることも思い出しました。ご賞味あれ。(かなりローカルですが)
dear harukaze3
「てふてふが一匹韃靼海峡を渡つて行つた」は安西冬衛の「春」ですね。本当にシェヘラザードの世界まで飛んでいきたいです。安西からコルサコフまででてくるとはさすがにharukazeさんです。韃靼蕎麦粉は知りませんでした。今度是非くわしく教えてください。